フォースドレップ法とは
フォースドレップ法(Forced reps法)は、強制的に(Forced)、反復を繰り返す(reps)トレーニング方法のことです。地力でウェイトを挙げられなくなった時に、何らかの方法で強引にウェイトを挙げさせ、トレーニングの反復回数を通常よりも多くすることで、より大きな負荷を筋肉にかけることのできるテクニックになります。筋肉を大きくするための要因の一つとして「筋損傷」がありますが、このフォースドレップ法をもちいることで、より多くの筋損傷を起こすことができ、結果として筋肉を効果的に大きくすることができます。
フォーストレップ法の具体例
補助者によるサポート
フォーストレップ法でもっとも基本的なやり方が「補助者によるサポート」です。反復できなくなった時に、補助者に少しだけサポートしてもらい反復を続けます。具体的には、ベンチプレスにおいて補助者にバーを引き上げてもらう、スクワットにおいて補助者が脇の下に手を入れて競技者を少し持ち上げてあげるなどがあります。
チーティング
補助者がいない場合のフォーストレップ法の一つとして「チーティング」があります。チーティング(Cheating)は英語で「反則」とか「ズル」といった意味があり、筋トレでは正しいフォームを崩した状態のことを言います。
筋トレしていると回数や重量を増やそうとして正しいフォームが崩れることがよくありあますよね。
本来、チーティングは効かせるべき筋肉に刺激が入らなくなるため避けるべき状態なのですが、追い込むときは非常に役にたちます。
筋肉を追い込むためのチーティングの具体的な例としては、ベンチプレスにおいて腰を浮かせる(いわゆるケツ上げ)があります。大胸筋の下部に刺激がうつり、反復を続けることができます。
自分で補助あるいは重量を下げる
種目は限定されますが、自分で補助をすることもできます。例えば、ダンベルアームカール(力こぶを作るような動き)では、ダンベルを持っていない方の手でダンベルを挙げる動作を補助をすることができます。自重スクワットなら、椅子等につかまることで足にかかる負荷を軽くし反復を強制することができます。腕立て伏せなら、上がらなくなったら膝をつくことで負荷を軽くし反復を強制することができます。
ウェイトトレーニングであれば、反復できなくなったら重量を少し下げることができます。特にマシンだとピンの抜き差しだけで重量を変えることができるのでやりやすいですね。フリーウェイトのスクワット等では重量の変更に時間がかかりすぎ、筋肉が休んでしまいますので不適ですね。余談になりますが、徐々に重量を下げながら筋肉を追い込んでいくトレーニングは「ドロップセット法」とも言われています。
フォーストレップ法で注意すること
ネガティブ動作をじっくりと行う
フォーストレップ法ではネガティブな動作をしっかり意識することが重要です。ベンチプレスであればバーを下していく場面、チンニングであれば体を下していく場面、スクワットであればしゃがみこんでいく場面。これらの重力等と同じ向きに動作する場面で、力を抜くことなく筋肉に刺激を与え続けましょう。
目安としては、2秒~3秒かけて動作するイメージになります。刺激を与えたい角度、位置で止めてみるのもオススメです。力を入れる際、息は止めないようにしましょうね!
強制的な反復は2~3回
ネガティブ動作をじっくりと行うと筋肉には思いのほか大きな刺激が入っています。結果として、強制的に2~3回の反復をすると、ネガティブ動作をすることすら難しくなってきます。ゆっくりと下すことができない状態です。こうなってしまってはトレーニング効果が半減しますし、フォームが大きく崩れ、関節にも負担がかかり怪我の原因にもなってしまいます。2~3回の動作に全力を注ぎ、終わったなら潔く撤退しましょう。
1部位1日1セット
フォースドレップ法は筋肉の限界を超えて反復を繰り返すため、思いのほか筋肉へのダメージが大きいトレーニング方法です。あまり多用するとオーバートレーニングになる危険性があります。そのため、1部位につきフォースドレップ法を行うのは1セットを目安にすることをオススメします。
まとめ
フォースドレップ法は、筋肉を肥大させるために非常に有効なトレーニング方法です。しかし、やり方を間違うとオーバートレーニングや怪我の危険性もあります。劇薬とはいいませんが、用法要領を守って効果的なトレーニングにしていきましょう!
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